お前を笑顔にしたいだけ





「危険って書いてあるけど大丈夫なの?」



「バレねぇよ、行ったところで。
鍵も壊れてるし直さねぇやつが悪い」



こんな考えをする奴が一番危険だと思うけど、あえて口にはしない。



屋上の扉を開ける村田。
思いの外、大きな音は鳴らずに安心する。



扉の向こう側に行くと、そこはやっぱり屋上で変な感じがした。



三回建ての低い屋上だからといって舐めてはいけない。



十分高い。



いつもは気にしたこともない学校の景色。
想像よりずっと綺麗。



外の景色を眺めていると、村田が隣にやってきた。



「結構くるの?ここ。」
「まぁな。いいサボり場所」



サボり場所って……堂々と言う村田に流石の私も呆れてしまう。