そりゃそうだ。
だって村田は今、私に挨拶をしたのだから。
もう一度顔を上げ、村田を見るとやっぱり私を見ていた。
しかも意地悪そうに笑っている。
「無視?」
「……授業中だから」
「真面目すぎ、面白くねぇな」
い、意味わかんない。
どうして私がこんな言い方されないといけないのか。
だけど今は一刻も早くこの状況から抜け出したかった。
するとようやく村田は座り、授業が再開された。
もう大丈夫だと安心していたのも束の間……
「おい、行くぞ」
授業が終わり昼休みになってすぐ、村田は私にそう言った。
手にはお弁当の袋らしきものを持っていた。
ということは、お昼に誘ってる?
「早くしろ」
「ちょ、待って無理だ…」
「遅いんだよ、お前」
やっぱり村田は私の話を聞こうとしない。
だから私の腕を掴んで引っ張り、立ち上がらされる。
抵抗しようにも力が強くてできない。
この間と同じだ。



