な、に……これは。
どういうこと?
状況の理解ができなくて戸惑ってしまう。
ただ唇から温もりが伝わってくるのは確かで……
う、そ。
もしかして私、キス、されてる……?
「………っん……」
抵抗しようにも腕を掴まれた上に壁に押し付けられていてできない。
ようやく唇が離されたかと思うと、村田は満足そうに笑っていて、それが腹立たしかった。
「なんでこんなこと……!!」
睨んでるつもりだけど村田にそんなの効くわけがないし、怯むわけない。
笑って私をバカにしてくるだけ。
危害を加えられないと思っていたけど、まさかこうくるなんて思いもしなかった。



