お前を笑顔にしたいだけ





ただ見た目と威嚇するような目つきが怖がらせているだけで、笑うとギャップがあるのかもしれないな。



なんてまた村田のことを考えてしまってる私。



相手は晴樹と同じ名前ってだけなのに、こんなに考えるなんて。



私らしくないな。



「こんな真面目に掃除したの、初めてかもしれねぇ」



私の視線に気づいたのだろうか。



顔を上げて私を見るなり口を開いた村田。



そもそも初めてって……そこまで不良でサボっていたのか。



「これをきっかけに掃除、真面目にやればいいよ」



きっかけなんて人それぞれだ。
良い方に進むのも、悪い方に進むのも。



そしてまた私たちは黙って掃除を再開し、案外すぐに終わった。