お前を笑顔にしたいだけ






というのに……



水曜日の放課後。
少し遅れて村田はちゃんと図書室へやってきた。



先生はトラブルがない限り図書室にこないため、二人きり。



いつも最初の三十分は絶対何人か利用客がくるはずなのに。



今日は誰一人として来ない。
もしかして、村田がいるから?



って、何ひどいこと考えてるんだ私!



別に利用客が来なくてもやることはある。
図書室の掃除に本の整理。



「掃除入れがここで、ここから使ってね」



何も知らない村田に教えてあげると、意外にも真面目に話を聞いてくれる。



「じゃあ、はい。
掃除お願い」



掃除入れからほうきを取って村田に渡す。
でも何故か目を見張り、固まってしまった。