誰も手を挙げなくて静かな中、私はゆっくり手を挙げる。



「先生、私やります」
「本当か!?すごく助かるぞ!」



先生がお礼を言うと、続けて女子生徒からも「ありがとう」や「良かった」という言葉が聞こえてきた。



「じゃああとは男子だけだな」



せっかく私が手を挙げたというのに、また静かになる教室。



誰か仕方ないからやってあげるという人間はいないのだろうか。



男子が「お前いけよ!」「嫌だ、無理だって!」というくだらないやりとりをしている。



そんなやりとりを見て、私は呆れていると……



「なあ、俺図書委員やるわ」



と低くぶっきらぼうな声が教室に響き、途端に静まり返る。



担任の先生まで唖然としている。