真っ直ぐ私を見つめる村田晴樹から目をそらす。 「別にあんたのこと、呼んでないから」 「今呼んだだろ。 しかも馴れ馴れしく“晴樹”って」 しっかり聞かれていた。 最悪だ、なんて言えばいい? しらばっくれるのは無理そうだ。 あまり相手を刺激するのも良くない。 「あんたのことじゃないよ」 だから安心して、という意味を込めて柔らかく言ったつもり。 ただそれだけ、なのに…… 「お前、俺のこと怖くないんだ?」 何か面白そうなものを見つけたかのように笑って私をじっと見つめてくる。