もうすぐ三年が経つというのに時間の流れだけが早い。



ずっと頑張れるんじゃなかったの?



晴樹から離れていかないでよ、遠くに行かないでよ。



「……晴樹」



ぽつりと名前を口にしてしまう。
呼んでしまう。



それで返事が返ってくることはないというのに……



「なんだよ」



一人しかいないはずの教室で、誰かの声が聞こえてきた。



低くぶっきらぼうな声。



一度、最近聞いたある心当たりのある声。



勢いよく振り向くとそこには……




村田晴樹がいて。




これはなんていう偶然だろうか。