お前を笑顔にしたいだけ





じっと、威嚇するように私を見てくる。



「ごめん…!」



でも今回は私が悪いから、謝ってプリントを受け取った。



それを後ろにまわすと、もう村田晴樹は前を向いていて。



何故か安心した。



泣きそうになる顔を見られずに済んだからだろうか。



ダメだ、私。
何学校でこんな弱気になってるの?



せめて見せかけだけでも強くなろうって、そう決めたはずなのに。



これ以上表まで弱くならないで。



そう思い直し、私は配られたプリントに視線を向けた。