晴樹はいつも明るくて、優しい笑顔を浮かべていて。
私を見る目がいつも優しい目つきで、心が温かくなった。
『里穂、行こっか』
少し照れくさそうに手を差し出す晴樹を見ると、私まで恥ずかしくなってきて照れていた。
二人で照れあい、そして笑いあう。
そんな些細な時間さえ幸せだったのに……
「………っ」
どこがダメだったんだろう。
私のどこが別れる原因となったんだろう。
理由さえ聞けずに一方的に別れを告げられて終わってしまった恋人関係。
ついでに言うなら幼なじみとしての関係も、終わった。
こんな終わり方、嫌なのに……。
「……おい、早く受け取れ」
泣きそうになって俯いていると、明らかに不機嫌そうな低い声が聞こえてきた。
慌てて前を向くと、村田晴樹がこちらを見てプリントをまわしてきたのだ。



