「村田、早く座りなさい」 私を助けてくれたのだろう。 担任の先生がそう言うと、また村田晴樹は乱暴に椅子に座った。 こんな奴が私の前だなんて、本気で嫌だ。 席替えしたいって素直に思う。 前を向くたびに視界に入る金髪が鬱陶しい。 じーっと村田晴樹の後ろ姿を見つめる。 全然違うな。 見た目も中身も身長も声も全部。 そりゃ晴樹は中学生だったし、声変わりしてなかったとしてもだ。 共通点が見つからない。 名前以外一つもない。