お前を笑顔にしたいだけ






教室が静まり返る。



担任の先生も唖然としていた。




乱暴に開けられたドア。
そこから入ってきたのは……




あの、特徴的なキラキラの金髪に耳につけられた、たくさんのピアスでいっぱいの男。



村田晴樹……。




その姿を捉えてしまってから、私は何故か泣きそうになる。



最後の最後まで期待して、外れていたからだ。



どうして晴樹じゃないの?
なんで?



より一層会いたいと思う気持ちが強まってしまった。



ああ、どうして私の心はあの日から少しも動いていないのだろう。