確かに、ずっと晴樹と呼んでいたのに。



記憶を取り戻して、最初に聞くのが村田って呼び方だったら本人は違和感しかないのかもしれない。



だけどそれを言うところが晴樹らしくて、どこか可愛いと思ってしまう。



だから私は、名前を呼ぶ。



そして頬が緩み、自然な笑顔で……




「……晴樹、大好きだよ…！」




私がそう言えば、晴樹は嬉しそうに笑った。
その笑顔が眩しくて、温かくて。



「……俺も、大好きだよ。
里穂のこと。


これでもかってぐらい、めちゃくちゃ好き」



いつもの晴樹なら絶対照れて言う言葉を、照れずにストレートに伝えられ、逆に私が照れそうになる。


「…またこれからもよろしくね。
たくさん、里穂を笑わせるから」



そう言って幸せそうに笑うから。
私も幸せな気持ちでいっぱいになる。



これから待っているのは明るい光が差す未来だと信じて、今度は私から晴樹に抱きついた。






ーーーねぇ、晴樹。
私だってたくさん晴樹を笑顔にするからね。





END