村田は戸惑う私を気にせず、そっと私の頬に触れた。
「こんなにも大切な人のこと……忘れてたんだろう。本当に最低だ、俺」
やっぱり口調が柔らかくて、声も優しくて。
私まで泣きそうになってしまう。
ねぇ、今の言葉を真に受けたとしたらそれって……
「……もしかして…思い出したの……?
全部、思い出したの…?」
私まで声が震えてしまう。
私が聞いたところで、村田は合わせていた額を離して……
今度はじっと、真っ直ぐ私を見つめてきた。
頬に手は触れたままで。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…