「む、村田…?」
「全部、本当なんだよな?」
「え……?」
「さっきの、全部」
村田の顔が見たくても、抱きしめられてるからできない。
村田の腕の中で、私は小さく頷いた。
「う、ん…。
全部、本当だよ……。
ごめんね、黙ってて……」
村田の返事を聞くのが怖くて、ぎゅっと目を瞑る。
すると、村田は私の頭を優しい手つきで撫でた。
「なんで謝るんだよ。
俺、今すっげぇ嬉しい」
「……え…?」
今、なんて言った…?
ひどく優しい声で、確かに嬉しいと。
そう言ったよね……?
「むしろ俺が謝るべきだろ。
こんなにも想ってくれてた里穂のこと、忘れてたんだ。
それに対してはだいぶ悔しい。
今も全く思い出せねぇんだ。悪い」
どうしてこんなにも優しいのかと。
温かいのだと。
聞きたいぐらいだった。



