お前を笑顔にしたいだけ





「む、村田…?」
「全部、本当なんだよな?」



「え……?」
「さっきの、全部」



村田の顔が見たくても、抱きしめられてるからできない。



村田の腕の中で、私は小さく頷いた。



「う、ん…。
全部、本当だよ……。


ごめんね、黙ってて……」



村田の返事を聞くのが怖くて、ぎゅっと目を瞑る。



すると、村田は私の頭を優しい手つきで撫でた。



「なんで謝るんだよ。
俺、今すっげぇ嬉しい」



「……え…?」



今、なんて言った…?



ひどく優しい声で、確かに嬉しいと。
そう言ったよね……?



「むしろ俺が謝るべきだろ。
こんなにも想ってくれてた里穂のこと、忘れてたんだ。


それに対してはだいぶ悔しい。
今も全く思い出せねぇんだ。悪い」



どうしてこんなにも優しいのかと。
温かいのだと。



聞きたいぐらいだった。