お前を笑顔にしたいだけ





ーーー全部、話された後。



紗江さんは気を遣ってか、部屋から出て行ってしまった。



取り残された私たち二人の間に、静かな沈黙が流れる。



声をかけるのが怖かった。
嫌われてたらどうしようって。



こんな私をどう思っただろうって。



怖くてずっと黙っていたら……



「……里穂」



どこか掠れた声で、私の名前を呼ぶ村田。
肩がビクッと震える。



「な、なに……」



聞き返す前に、背中に手を回されて。
ぎゅっと村田に抱きしめられた。



その抱きしめ方は優しくて、涙で視界が滲む。