「……んっ…」
今日のキスはいつもより強引で、きつくて。
なかなか離れてくれなくて。
だけど離してほしくもなかった。
ねぇ、晴樹…。
私はここにいるよ。
ごめんね、こんな人間で。
あなたを支えることすらできなくて……。
そんな中、何度もキスされ、全部受け入れて酔いしれそうになっていると……
インターフォンが鳴った。
その時にようやく村田が私から離れた。
息が乱れる私に対して、村田はさほど変わっていない。
なんならまだまだ余裕そうだった。
でも誰か来たのかな?
と思っているとまたインターフォンが鳴らされる。
急ぎの用事?
「……ちっ、また買いすぎかよ。
今日に限って早いとか」
村田はそう言って面倒くさそうに立ち上がる。
今日に限って早い…?
なんとなく嫌な予感がした。
だって親は遅いって、さっき村田は言っていた。
てことは、今日に限って早いってことはもしかして……
紗江さんじゃ、ないかって。



