「家に親いるかもしれないでしょ!?
迷惑だからどっかのお店にしよう!」
「仕事だからいねぇよ。
大概遅いし」
「それでも会うかもしれないし…!」
紗江さんとは会ってはいけない。
最後に会ったのは、晴樹が眠る病院で。
晴樹を忘れて生きていくべきだと言われたから。
それなのにまた晴樹の側にいるってわかったら、何してんだこいつって思われるかもしれない。
それが怖かった。
もう晴樹に近づくなって言われたら…って思うと、やっぱり離れたくないから。
なのに村田はつながれた手を離そうとしなくて……
結局家に連れてこられてしまった。



