お前を笑顔にしたいだけ





「家に親いるかもしれないでしょ!?
迷惑だからどっかのお店にしよう!」



「仕事だからいねぇよ。
大概遅いし」



「それでも会うかもしれないし…!」



紗江さんとは会ってはいけない。



最後に会ったのは、晴樹が眠る病院で。
晴樹を忘れて生きていくべきだと言われたから。



それなのにまた晴樹の側にいるってわかったら、何してんだこいつって思われるかもしれない。



それが怖かった。



もう晴樹に近づくなって言われたら…って思うと、やっぱり離れたくないから。



なのに村田はつながれた手を離そうとしなくて……



結局家に連れてこられてしまった。