「俺は前みたいに二人が良かったんだけど。
ずっとこうしたかった」
村田の体温が伝わってきて、ドキドキと鼓動が速くなる。
私だって二人が良かったけど……
「離れてよ。
友達はこういうことしないでしょ?」
そう言うのは我慢する。
じゃないと気持ちが溢れてしまいそうで怖かった。
「…別に俺は友達と思ってねぇし。
お前は俺の好きなやつだから」
はっきりと伝えられる、村田の気持ち。
その気持ちを受け入れることができたら、どれだけ良かっただろう。
「里穂」
「……っ、なに」
ダメ。
そんな愛しそうに名前を呼ばないで。
胸が苦しくなる。



