お前を笑顔にしたいだけ





「貸し出しですね」



手際よく、貸し出しの手続きを行う。



夏休み明け最初の図書委員の仕事は、なんと受付である。



なんと利用客がいたのだ。
しかも結構多い。



ほとんどが女の子で、村田目当てなのはわかった。



みんな村田を見て何やら話している。



ここ二週間で、村田はいい意味で知名度がさらに上がった。



だって元々かっこいいっていうのに、さらに真面目になって誰も見過ごすはずがない。



それなのに当の本人は女の子が利用しにきても一切興味を示さず。



むしろ面倒くさそうにしている。



前までならその姿でも怖がられていたのに、今じゃ騒がれている。



周りの変わりようが本当に凄かった。