なら晴樹は……村田は。
思い出してしまえば、私から離れていってしまうんじゃないかって。
それは嫌だった。
離れてほしくなかった。
私のわがままだったけど私は……言わないことに決めた。
それに紗江さんは私と晴樹を会わせたくなかったのかもしれない。
記憶がなくなった今、私は邪魔なのかもしれない。
ならこれからは“村田晴樹”としての人生を歩むべきなんじゃないかって。
そうなれば私の存在は邪魔になる。
だからせめて、高校の間だけは……
村田のそばにいることを、どうか許してほしい。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…