お前を笑顔にしたいだけ





「そしたら奇跡的に二年で同じクラスになって、席前後だし。


始業式の日、覚えてるか?
俺が教室戻ったらお前が……


『晴樹』って、呟いてたやつ。
あん時もまた苦しくなった。


もしかしたら、俺のこと知ってるのかもって期待したけど…そんなわけねぇよな。


覚えてたら一年の時に声かけられてるはずなのに」



その通り、だった。
村田は私がずっと引きずってた、晴樹だったんだよ。



なのに気づかなかった私。
あれだけ晴樹のこと想ってて、考えてて。



忘れたこともなかったのに、こんな近くにいた晴樹のこと気づかなかった私は好きと、会いたかったと言う資格なんてない。