「……里穂…?」
思わず口元を手で覆った。
嘘、嘘だ……。
信じられなくて、わけわからなくて。
月野晴樹。
その上生死をさまよう事故。
それはどう考えても事実で。
じゃあ今まで私を支えてくれていたのは。
ずっと隣にいてくれたのは……
晴樹だって、いうの……?
涙が溢れそうになって
『晴樹』と呼びたくなって。
だけど必死で我慢する。
だって、気づかなかった。
あんなに晴樹晴樹って言っておきながら。
私は気づかなかったんだ。
村田をずっと、晴樹と比べてて。
まさか同一人物だなんて、知らずに……。
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