お前を笑顔にしたいだけ





私の付き添いをしてくれた看護師も早く戻りたいはずなのに



私が泣いてばっかいるから、お母さんが来るまで待合室でずっとそばにいてくれた。



「里穂…!」



待合室に入ってきたお母さんの表情はひどく心配そうにしていて。



やっぱり知っていたんだと、すぐにわかった。



「里穂、黙っててごめんね……!
大丈夫だから、大丈夫」



お母さんは子供のように泣く私を優しく包み込む。



それでも涙が止まるはずなくて……




それからの記憶は曖昧で、家までどうやって帰ったのか。




あまり覚えてなくて、気づけば部屋の中で一人、うずくまって泣いていて。



ずっと部屋で寝ずに泣いていた。