「……先に、俺から言っていいか?」
その後、村田が私に聞いてきた。
「……うん、いいよ」
何を言われるのかわからなくて、少し怖かったけど肯定する。
「ずっと謝りたかったんだよな、俺。
初めてお前から幼なじみの話聞いた時、本気で支えてやりたいって、側にいてやりたいって思った。
なのに結局お前から離れて、傷つけて。
本当に悪かった」
全く、村田は悪くないっていうのに。
村田は私に謝った。
「どうして村田が謝るの?
私が悪いのに……私が謝らせてほしい。
本当にごめん」
「お前は悪くないよ。
辛いに決まってるのに」
村田はまた、優しく笑った。
どうしてこんなにも優しいのだろう。



