お前を笑顔にしたいだけ





「ちゃんと、村田に謝りたい…。
話、したい。


けど……なんて言えばいいのかわからない。
晴樹のこと、忘れられたわけじゃないから……」



「でも里穂は、村田のこと好きなんだよね?」
「……っ」



その通りだ。
だから私は今の言葉に否定できない。



「なら、その気持ちも全部話したらいいんじゃないかな?


村田が好きだけど、晴樹くんのことも忘れられないこと全部。


突き放されるより、そうやって思ってること全部言ってくれた方がいい。


里穂は言葉不足だったんだよ。
好きなら好きって言わないと」



確かにそうだ。



私は思わせぶりな態度をしたくせに、村田を拒絶して。



本当は受け入れるはずだった。
伝えるはずだった。



でも話してしまえば、良かったの……?