お前を笑顔にしたいだけ





「話って、どうしたの…?」



私の隣に座る汐をじっと見つめて聞いてみた。



「……色々と、知りたくて」
「え……?」



「村田と、何かあったでしょ?
それで里穂、辛そうだったから…


ずっと聞きたかったけど聞けなかった」



汐が少し暗い表情になる。



そんな風に、思っててくれてたんだ……。



「でも、今日にちゃんと聞きたいって言おうと思った。


私は里穂のことが知りたい。
何を抱えてるのか、全部。


これ以上辛そうな里穂、見てられないよ」



隠せてると思ってたのに、やっぱり隠せてなくて。



こんな私のために、汐はそう言ってくれたんだ。