お前を笑顔にしたいだけ





ーーー「どうぞ!」



「お邪魔します」



あれから電車に乗り、私は汐の家にやってきた。



電車ではいつものような他愛のない会話をしたけど、本題の意味が気になってそれどころじゃなかった。



汐の家に上がり、今度は汐の部屋に行く。



汐の部屋はいかにも女の子!って感じの部屋で、可愛らしかった。



「ごめんね、急に連れてきちゃって」



一度部屋を出た汐は、飲み物を用意してくれてカップを手渡された。



私はお礼を言ってそれを受け取る。



「でもどうしても里穂と話したくて。


夏休みに入る前に話したかったんだけど勇気でなくて……夏休み中も引きずっちゃって今日になったんだ」



じゃあ今日誘ったのはたまたまじゃないってこと?



そんな感じが全くしなかったから驚いた。