そんなある日の朝。
スマホが鳴り、みると汐からだった。
「……もしもし、汐?」
『里穂、久しぶり!あのさ、今日って暇?』
いきなりのことで驚きつつ、最近ずっと部屋にこもりっぱなしだった私は暇だと答えた。
「うん、暇だよ」
『本当?じゃあさ、準備出来次第会おうよ!』
その後汐と約束をし、人気のパンケーキのお店に行くことにした。
今まで全く何をする気にもならなかったけど、こうして約束したら案外身体は動いてくれた。
服を選び、着替えた後リビングに行く。
今日は平日のため、両親どちらとも仕事で誰もいない。
そのため静かな空間だったけど、今の私にはちょうどいいのかもしれない。
「……はぁ」
ため息をつく。
最近その数も多くなってるが、ほぼ無意識で。
ダメだ、今から汐と遊ぶというのに、こんな暗いままでいたら。
汐に心配をかけてしまう。
そう思い、気合いを入れて私は家の外へと出た。