私は今、村田を突き放した身なのだ。



「ごめんね」?
そんなの都合が良すぎるし、許されることじゃない。



少し乱暴に、保健室を後にした村田。
走れば間に合うと思う。



でも身体は動かなくて……



代わりに惨めな涙だけが私の頬を伝った。
村田の言う通りだ。



自分で勝手に傷ついてるだけ。
本当馬鹿みたい。



「……うう……」



なのに涙は止まらない。
そんな自分が嫌になって、苦しくなって。



逃げ出したくなって。
まるで中二のあの頃に戻ったようだった。