私のためを思って言ってくれた村田のことを、私は突き放してしまったのだ。
「……あ……」
村田を見てみれば、もう手遅れだということがわかって。
傷つけてしまった。
村田は切なげに、だけどその目には怒りも含まれているような気がした。
「じゃあそのまま一生勝手に苦しんでろよ」
それが最後の言葉だった。
今までのどの言葉よりも冷たく、胸に突き刺さる。
村田が私から離れ、ベッドから降りてしまう。
呼び止めようと、『待って』と言おうとした。
でも、呼び止めてどうするの?
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