でも、ダメなんだ。
ここで思わせぶりな態度をしたら。
ドキドキしたらダメなんだ。
だからはっきり、村田に言わないといけなくて……
「……村田、ごめん…」
私はやっぱり村田の気持ちに応えられない。
今、言うしかないんだ。
「私は晴樹じゃないと無理、忘れられないの。
それに忘れたくないの……。
いつも私ね、晴樹と村田を比べてた。
最低でしょ?
だから、ごめん。
私は村田の気持ちに……んっ…」
まだ言いかけの唇を塞ぐようにして、村田にキスをされる。
どこか強引で、乱暴なキスで。
「そんな言葉、聞きたくねぇんだけど」
村田の声が一段と低くなる。



