視界がぐらりと反転し、気づけば村田の顔が目に映って。



背中には柔らかいベッドの感触がした。



これは、もしかして……
村田に押し倒されてる?



状況の理解が遅れ、うまく飲み込めない。



「むら、た……?」
「お前って本当警戒心なさすぎ」



この状況で呆れた顔をする村田には余裕が感じられて。



ようやく今の状況を理解し、途端にドキドキと心臓の音が速くなった。



「離れてよ……」
「無理」



村田は意地悪そうに笑い、顔を近づけてくる。



「何回も言うけど、嫌ならもっと嫌そうな顔しろって」



そんなの無理だ。
だって嫌じゃないのだから。