一ヶ所ずつ丁寧に手当てしていく。
ひどいところは包帯で巻いたりして、傷が悪化しないように固定した。
「よしっ、終わった」
シャツも脱いでもらったけど、やっぱりそっちの方がひどかった。
痣もできていて、どれだけ不利な状況だったのかがわかる。
「で、どうする?
このまま寝る?」
「…わかんねぇ」
わからないって…そんなの今すぐ決められることだろう。
半分呆れながら、私は道具を直した。
この間ずっと村田は私を見ていて、寝る感じはなかった。
「村田?どうしたの?
まだどこか痛むとこ……きゃっ!?」
そんな村田に違和感を覚え、もう一度近づいてみると突然腕を引かれ、バランスを崩してしまう。



