慌てて振り返ると、村田は私を見ていて。 「開いてるけど」 鍵を閉め忘れたのだろうか。 どっちにしろ、手間が省けたのならいいやと思い、保健室の中に入った。 「適当に座ってて!」 私は村田にそう言って、消毒液や包帯などを探し手に取った。 そして村田のいる所に行くと、何故かベッドの上に座っていた。 きっとこの後寝るつもりなのだろうと思い、あまり深く考えていなかった私は村田の手当てを始めた。 「……っ」 「痛いのはわかるけど我慢して」 時々傷がしみて顔を歪める村田。 それほど深い傷なのだ。