お前を笑顔にしたいだけ





「このバカ村田!
ほら、早く保健室行くから立って!」



「大丈夫だろ、このくらい」
「私が見てて大丈夫じゃないの!早く行くよ!」



私が強く言えば、村田は仕方なくというような顔をして立ち上がった。



「平気だって言ってんのに」
「ダメ!早く消毒したりしないと…」



村田と二人、なるべく目立たないように人通りの少ないところを通って保健室に向かった。



でも……



「職員室って……」



保健室に着くと、先生は不在という札がドアにかけられていた。



そして[用があるなら職員室へ]と書かれていたため、私は呆れつつ職員室に行こうと思った。



「村田、職員室行ってくるから待ってて」



なるべく急いで呼びに行こうと、村田に背を向けた瞬間……



“ガラリ”と、ドアが開く音がした。