お前を笑顔にしたいだけ





「晴樹…どうして……」



涙が止まらず、また晴樹の名前を口にしたその時……




高い音がモニターから聞こえ、病室内に鳴り響いた。




全身から血の気が引くような、そんな感覚に襲われる。



ゆっくりとモニターに視線を向ければ、赤で点滅されていて。



数字がゆっくり、でも確実に落ちていく。



何も知らない私でも危険な状態なのだということは理解できた。



「はる、き……?
ねぇ、晴樹……晴樹!


どういうこと?
死なないでよ生きてよ晴樹!」



晴樹は私の言葉に反応しようとしない。



「晴樹……!
いいから、何も望まないから!


別れを受け入れるから!
晴樹の前に二度と現れないって約束するから!


だから、だから起きてよ晴樹……!!」



死ぬのだけはやめて。
同じ世界に生きてくれるのなら、それでいいから。



私の目の前から去ってもいいから、この世界からいなくならないで……。



「いや、嫌だ……」



体が震え、泣くことしかできない無力な自分。



どうしたらいいのかさえもわからないでいたら、病室に医者と看護師数人が入ってきた。