お前を笑顔にしたいだけ





「……っ」



そこで夢が途切れ、目を覚ますと私は泣いていた。



よくない目覚め方で。



身体は重たい。
頭は痛い。



時計を見るとアラームが鳴る二十分前だった。



今更寝ようとしても寝れないだろうと思い、起き上がる。



どうしていつだって、前に進めないんだろう。
ブレーキをかけてしまうんだろう。



前に進もうと思った時、また新たな壁が私の行く手を阻む。



ごめん、村田。
やっぱり私には無理だ。



晴樹を忘れるなんてそんなこと…できるわけない。



それにどちらを選んでも、苦しみからは逃れられない。



なら、一番自分だけが苦しむ方を……私は、選ぶよ。



迷わないを
迷ってしまえば楽な方に進んでしまう。



だから今日、ちゃんと村田に話すと決めた。