でも内容なんて私にはわからなかった。
「俺さ……最後に晴樹と会ったのは部活終わり一緒に帰ってた時なんだ」
晴樹と最後に会った時。
ということは松木の中で一番心に残っているものなのかもしれない。
私だって同じだ。
もう笑いかけてくれることも、名前で呼ばれることもないなんて考えられるはずがなかった。
「そう、なんだ……」
もしかしたらその時晴樹に相談されていたのかもしれない。
いや、松木はずっと前から知っていたのかも。
晴樹が私と別れたいってことを……
「それでな。
その時もほとんど森原の話ばっかで。
晴樹本当に幸せそうだった。
自分がこうして部活を頑張れるのも、勝ちたいと思えるのも、森原のおかげだって言ってて」
頭が、真っ白になった。
今、松木が言ったことが信じられなくて相槌をうてない。
