お前を笑顔にしたいだけ





だからといって村田のことは頭から離れなくて、明日どうしようなんて考えていたら、自分の降りる駅に着いた。



電車を降り、いつものように改札を通ろうとしたら……



「もしかして…森原?」



誰かが私の名前を呼んだ。
ゆっくりと振り向くとそこには……



「松木(まつき)……」



これはなんの偶然だろうか。



このタイミングで、晴樹の親友であった相手である松木と会うなんて。



同じサッカー部で、二年だったのに二人ともレギュラーだった。



松木もすごかったし、晴樹を影ながらサポートしていた。



「やっぱり森原じゃん!」



ニコッと爽やかな笑顔を浮かべる松木は、中学から変わらない。