ゆっくり近づくと、晴樹は静かに眠っているだけ。
何本もの管で繋がれ、包帯を巻かれた腕に触れてはいけないような気がして何もできない。
手を握るのも怖くてできない。
近くにいるのに、ずっと遠くにいるようで怖い。
こんなにも距離を感じたのは初めてだった。
「は、るき……」
もう手遅れという言葉が頭から離れない。
そんなの嘘だ。
じっと晴樹を見つめる。
でも涙が邪魔をして、まともに晴樹の姿を捉えることができなかった。
お願い、離れていかないで。
晴樹がいない世界なんてどうやって過ごしていけばいいのかわからない。
小さい頃からずっと一緒で、これからもずっと一緒だって信じてた。
まだ子供ながらも、この先も晴樹の隣に居られると思ってた。
晴樹から告白された時、どれだけ嬉しかったかわかる?
晴樹から別れを告げられた時、どれだけ苦しかったかわかる……?
「……っ」
届いて、この想い。
苦しいほど、晴樹が好きなんだって。



