お前を笑顔にしたいだけ





ーーーそれからしばらく経ち、仕事が終わった。



二人で帰るけど、いつも以上にドキドキして。
この気持ちを隠すなんて無理だった。



思えば最初の頃から、村田を男として意識していたんだと思う。



「また明日ね」
「……ああ」



そして村田の最寄駅に着く。
村田が降り、また電車が動き出した。



もし明日、この想いを伝えたら今以上の関係になっているのか。



そう考えただけでもドキドキしてしまう私は、きっと相当村田のことが好きになっていたんだ。



頬が緩みそうになるのを必死で我慢する。
だって今は一人だし、恥ずかしい。