やっぱり今日も利用客はいない。
みんな本当に村田を怖がりすぎだと思う。
せめて今日だけでも来てほしかった。
「相変わらず誰も来ねぇな」
突然の村田の声に、思わず肩が震える。
「そ、そうだね…!
掃除でもしよっか」
村田の方を見ないで話し、掃除用具箱へと向かった。
これじゃあ避けてるのがバレバレ。
自然な避け方とかあるわけないし、仕方ない。
「はい、じゃあお願い」
掃除用具箱から取ったほうきを、目を合わせず村田に渡した。
「……さんきゅ」
少しだけ間が空いた後、村田にお礼を言われた。
絶対不自然だったよね。



