ーーー次の日の放課後
ついにこの時がやってきた。
朝も昼も村田を避けていた私にとって、もう逃げ場のないところだ。
もう数分くない、図書室のドアを開けられないでいる。
「……はぁ」
またため息をついてしまう。
最近多いな、こういうの。
そろそろ入らないといけないな、と思っていたら……
「おい、さっさと入れよ」
久しぶりに聞いた、私に向けられての村田の声が後ろからした。
勢いよく振り返るとそこには村田がいて。
こんな近くで見たの、久しぶりだ。
「ご、ごめん…!」
こんな近くで見ると、屋上でのことが蘇ってしまい、慌てて村田に背を向ける。
そのまま図書室に入り、荷物を置いた。



