ほ、他の男?
他の男って、確かに言ったよね?
驚いた私はじっと村田を見つめると、手が離され途端に真剣な表情になる村田。
ドクドクと心臓の音が速くなって、私は緊張してしまう。
もし、この考えが正しかったら?
自惚れなんかじゃなく、事実だったら私はどうする?
どういう選択をする……?
「……なぁ、里穂」
そんな時、名前で呼ばれ肩が震えてしまう。
「な、何……?」
少し声がかすれてしまったけどそれどころじゃなかった。
「もう無理だ」
「え?」
「気づいてんだろ、お前」
そう言われ、さらに心臓の音が速まる。
「俺が、お前のこと……」
最後まで言われたら。
最後まで聞いてしまえば、終わりだと思った。