その時。
ふと、脳裏にある映像が浮かんだ。
静かに目を閉じ、綺麗に眠る姿。
モニターが赤く光る、緊急の音。
それは紛れもなく、最後に見た晴樹の姿で……
「………っ」
身体が勝手に動いたかのように。
気づけば顔を俯くように背け、村田を押し返していた。
「………あ…」
自分から漏れた声はあまりにも惨めで。
私、何をやってるんだ。
何酷いことをしてしまったんだ。
「ご、ごめ……」
何故かまた、涙が溢れてしまう。
こうなりたかったわけじゃないのに。
でもはっきりと拒絶してしまった。
一度は受け入れたのに、やっぱり私は晴樹のこと……
今でも忘れることができないんだ。



