お前を笑顔にしたいだけ





その時。
ふと、脳裏にある映像が浮かんだ。



静かに目を閉じ、綺麗に眠る姿。
モニターが赤く光る、緊急の音。



それは紛れもなく、最後に見た晴樹の姿で……



「………っ」



身体が勝手に動いたかのように。
気づけば顔を俯くように背け、村田を押し返していた。



「………あ…」



自分から漏れた声はあまりにも惨めで。
私、何をやってるんだ。



何酷いことをしてしまったんだ。



「ご、ごめ……」



何故かまた、涙が溢れてしまう。
こうなりたかったわけじゃないのに。



でもはっきりと拒絶してしまった。



一度は受け入れたのに、やっぱり私は晴樹のこと……



今でも忘れることができないんだ。