お前を笑顔にしたいだけ





「いいか?」
「いいって、そんなの……」



いつもみたいに無理矢理じゃなくて、今同意を求められてる。



心臓がドキドキしてうるさくなってきた。



嫌、じゃない。
私の気持ちは肯定ってことで。



ゆっくりと頷くけど、相当恥ずかしい。



「じゃあ顔上げろよ」



ずるい。
最後まで私にやらせる気?



ゆっくりと顔を上げれば、視界に映るのは村田の顔。



面白がったり意地悪そうじゃなく、ただ真剣だった。



その姿にもドキッと胸が高鳴る。



村田が近づいてきた。
それに合わせて私は目を閉じる。



キスが嫌じゃないってことは。
肯定したってことは、私……。