「いいか?」
「いいって、そんなの……」
いつもみたいに無理矢理じゃなくて、今同意を求められてる。
心臓がドキドキしてうるさくなってきた。
嫌、じゃない。
私の気持ちは肯定ってことで。
ゆっくりと頷くけど、相当恥ずかしい。
「じゃあ顔上げろよ」
ずるい。
最後まで私にやらせる気?
ゆっくりと顔を上げれば、視界に映るのは村田の顔。
面白がったり意地悪そうじゃなく、ただ真剣だった。
その姿にもドキッと胸が高鳴る。
村田が近づいてきた。
それに合わせて私は目を閉じる。
キスが嫌じゃないってことは。
肯定したってことは、私……。



