お前を笑顔にしたいだけ





村田の存在は、私にとって大切だと。



「……なんだよ、それ。
ずるすぎだよなお前って」



「え……きゃっ!?」



頭の後ろに手を置かれ、また私を引き寄せ抱きしめられた。



さっきよりも力が強い。



「村田…?」



「意味わかんねぇ。腹立つ。
さっきみたいにピーピー泣いとけバカ」



何故か不機嫌な声になる村田。



「ほ、本当にどうし」
「なぁ」



そしたら突然身体を離され、ほんのりと頬が赤い村田が私をじっと見つめてきた。



本当にどうしたの?



「な、なに……?」
「キスしたい」



「な……!?」



一瞬で顔があつくなる私は、単純過ぎてバカみたいだ。



いつもみたいに強引じゃなく、ドストレートに聞かれたらこうなっても仕方ない。