お前を笑顔にしたいだけ





は………?



「ちょ、何勝手に体調不良にして」
「話聞くため」



だから座れ、と促されてしまう。



もう汐に電話したから今更教室に戻るのは無理だ。



でも……村田に話すの?



それに関してはためらってしまう。



「正直、聞きたかったんだよなそいつのこと。
お前がこんなにも苦しそうに見えたから。


聞くなら今だなって思った」



村田はずっと気にかけてくれてたんだ。



心が揺らぐ。
この気持ちを話せば、楽になる?



でも相手には迷惑なんじゃないか。
だけどそんな不安さがなくなるくらい……



村田は私を真っ直ぐ見つめていたから。



最初はためらいがちに、気づけば全部話していた。



幼なじみがいたこと。
村田と同じ“晴樹”って名前のこと。



付き合っていたこと。
そして……



別れようと言われ、死んでしまったこと。