お前を笑顔にしたいだけ





何話してんだ、私。
こんな時に晴樹の話をしてしまうなんて。



気まずい沈黙が二人の間に流れる。
やばい、どうしよう。



とりあえず何か言わないと。
そう思い口を開こうとした時……



「やっぱりもう一人、いたんだな」



と先に村田が口を開いた。
それもどこか意味深な言い方。



「……“はるき”ってやつ、お前の元カレかなんか?」
「……っ!」



知られていた、村田に。



きっと、始業式のあの日に“晴樹”と呼んだのを聞かれた時からずっと……。




話すかどうか、一瞬ためらった。
でも話す必要はない。



「ううん、違うよ。
そんな人いない」



だから嘘をつく。